乗鞍岳撤退記
- kota ito
- 2019年1月18日
- 読了時間: 3分
登りたくて登りたくて仕方なかった。
山で初めて泣いてしまった。
それほど辛かった登山。
2日目満を持して望んだ。
狙える位置にはいた。しかし、天気は前に進ませてくれなかった。
それでもやりきったと言える撤退。
悲しくなく撤退できた。

1.山について
乗鞍岳は北アルプスに属する山だが、北アルプスの山々とは様相が違う。
御嶽の横に位置し、北アルプスの山々が密集している場所から少し離れた独立峰のようなものだ。
乗鞍岳は夏と冬では難易度も異なり、今では夏はバスで行くことができる3000m峰。
しかし、冬の北アの乗鞍岳は夏とは全く異なり天候や行程距離も考えなければ行けない厳しい山に変わる。

2.行程について
1月2日 9時リフト-11時30分撤退(稜線前)
※参考CT9時間だが、CT負け
1月3日 4時間ゲレンデ-8時撤退(稜線後)
※参考CT12時間だが、天候不良
3.山行について
待ちに待った北ア厳冬期。
初めて登る山は乗鞍岳、そして御嶽という独立峰を回ろうと考えていた。
しかし、冬のアルプスはそんな簡単に登らせてくれなかった。この撤退記は冬山の厳しさを教えてくれるとても考え深い2日となった。

1/2 リフト利用登頂計画
リフトが始まる前からみんなで準備をして、スタートを待った。
時間通り動き出すリフト。
期待を膨らませて登るも、ぱらつく雪と雲に覆われた乗鞍岳を見ながら進む。

リフト山頂駅にて、わかんを装着して登山が始まった。
しかし、わかんの装着、温度調整、そして、雪深い道に阻まれ、ロスが続く。
ペースアップを図るものの行程共有や思った以上の雪道に足を取られ、時間は刻一刻とすぎいていった。

雪山経験者から
「ここが撤退の判断をするしかない
先に進んだも風が強くてトレースも消える
ガスも強くなって方向感覚が無くなる
いっても戻れない可能性が高いから
ここまでだ」
ゆとりを持った計画を立てなかったこと、計画の共有が甘かったこと、反省だらけ。

その後、涙止まらず、下山した。

1/2 夜
計画を練り直す。
みんなで話し合う。
今日の反省を踏まえ、どうしたら登りきれるか。
隊をを分けること
ギアの装着、休憩のロスを減らすこと
時間を早めること
気持ちをみんなで固め、リベンジに燃えた
1/3 ゲレンデ起点計画
朝2時に車に乗り、リベンジ乗鞍岳が始まった。4時には暗闇のゲレンデをアイゼンを履き、リフト山頂を目指す。

暗闇の中でみんなで声を出して、汗を流して本気で登る。
5時30分過ぎにはリフト終点につき、余裕を持った登りが始まる。
空はだんだん明るくなってきているが、昨日歩いたトレースは全て痕跡程度になり、膝下ラッセルが続く。
みんなで疲れるまでラッセル、踏み固め、道無き道を進む。

日が出る時間になっても周りは暗く、風は15mを超え、雪が顔にあたる。
バラクラバを着けて顔が痛む。
晴れることを信じて進む。

稜線付近、雪と苦戦しながら道を作ってきたが、体力的にも消耗が激しい。
歩けど歩けどホワイトアウトになる前のような景色が目の前に広がる。
「撤退しよう
このまま進んで天気が晴れる可能性もあるけど、危険だ」
この撤退には悔いが残らなかった。
みんな本気で計画して天気が良ければ登りきれていただろうポイント。
笑顔で撤退ができた。

今回隊を組んでみんなで登頂目指すも天候や冬の厳しさいろんなことが経験になったと思います。

御嶽予定を崩して、リベンジ乗鞍岳してくれてありがとう。
本気で山に向き合って、いろんな経験をみんなで楽しめたこの山行は宝です。

以上
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