山のグレーディングの見方
- Kazuma Yokota
- 2018年9月4日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年10月7日
イベント立てる際にも導入された「山のグレーディング」
『なんとか山 8D 』とか書いてあるやつ
知ってる人からしたら今更なものですが、分からない、関心すら持てない人も少なくないでしょう。
読み解ければ山選びに非常に便利なこの表を活用しないのはもったいないので、簡単に見方を説明します。
1.基本的な表の見方
「信州 山のグレーディング」を見本に説明します。表の縦軸が「体力度」、横軸が「技術的難易度」を示します。

・縦軸 体力度
1~10に分類され、上に行くほど体力的にしんどいコース、下に行くほど短時間お手軽コースとなります。数字の目安は、[1~2]がお散歩・ハイキング程度、[3]が1日かけての日帰り、[4~5]が一泊二日が無難、[6~7]が通常2泊・健脚者は1泊、[8~]は2泊以上が妥当です。
また、日帰り(1日分)の目安は6~7時間です。
コースタイム(以下CT)
08h:攻め気味の日帰り
10h:6+4で一日あたりは緩めな1泊2日
15h:なら8+7で1泊2日でもガッツリ歩くぞ
といった具合です。
※h:Hour、時の略 8h→8時間
・横軸 技術的難易度
A~Eの5段階に分類され、右に行くほど難易度が高まります。具体的には、岩場・鎖場が増えたり険しさが増したりする、ガレ場ザレ場・キレット、急斜面のトラバースなど足場が悪くなる、道が不明瞭で迷いやすくなるなどです。
※ガレ場:こぶし大以上のゴロゴロした浮き石が一面ある路面
※ザレ場:砂利っぽい、ガレ場より細かい石が一面ある路面
※キレット:両脇が切れ落ちた崖状の道。切戸とも。
※トラバース:斜面を横切ること。片側が崖や下り斜面、反対側が登り斜面の状況
これより、横田の私感でざっと4(5)区分するとこんな感じになります。

北横岳は観光客でも行ける簡易な山です。1A
蓼科山は急登で岩登りはあるものの、短い区間なので2B
入門アルプスの唐松岳はCT7h、体力度は日帰り枠の一番上の3Bです。
戸隠山もCT的には日帰り可能な里山ですが、岩場がかなり険しいので3Dとなります。
2.どう使うか
すでに登ったことのある山を基準として次の山を選ぶ際の活用方法を考えます。まずはグレード3B以下でどこか適当に登ってみましょう。2B以下で選べば普段運動習慣のない人でもよほどのことが無い限りは登頂できると思います。
ここでは仮に、『2B』の①蓼科山に登ったことがあるとします。無事登れたら、次に登る山は1ランクあげて『3B』の枠から山を選んでみましょう。例えば②唐松岳。難易度はそのままに、体力度を上げたコースです。

唐松岳に登ったら、山行を自己評価します。
・コースタイムどおりに進めたか
・岩場や急登、山行終盤でのペースダウンはなかったか
これより、また次の山を考えます。

標準CTに対して余裕をもって登れて、岩場鎖場にとくに問題がなければ、体力度・技術的難易度ともに上げて3C~4Cあたりを検討してみましょう。
もしくは、
・体力的には余裕だったけど岩場はまだ不得意→体力度を上げて『4B』の燕岳
・岩場はむしろ楽しめたけど、これよりしんどいのは厳しい→難易度を上げて『3C』の赤岳(文三郎尾根コース)
・もうちょっと同等の山にとどめておきたい→『3B』の四阿山
といった様に、自己評価を踏まえて検討します。
3.まとめ
ざっとおさらいすると、表の右上ほど体力・技術ともにハードになり、左下ほど初心者向けという並びになっています。この表に照らし合わせることで、
・よくわからないまま参加予定にしてた山が実は自分には無謀だった
・敷居が高いと思っていたら意外と身近な存在だった
など、ちゃんと自分で考え山を選ぶことが出来るようになります。
分不相応な登山による遭難事故防止としての意味合いが強いグレーディング表ですが、一方でステップアップへの挑戦として自分で自信を持ってこの山にはイケそうだ!と判断する材料にもなります。長野県他8県(山域)のグレーディングが好評されていますので、活用していきましょう。
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