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後立山連峰(唐松岳~爺ヶ岳)縦走 ②五竜山荘-冷池山荘

  • 執筆者の写真: Kazuma  Yokota
    Kazuma Yokota
  • 2018年7月30日
  • 読了時間: 5分

更新日:2019年10月7日


日程 H30/7/15(二日目)

メンバー りょーじ、だいし、KJ、ゆり、あやか、ゆき、さおり、カズ

天候 快晴


1.山について

五竜岳はかつて「餓鬼岳」「餓鬼ケ岳」と呼ばれた。現在の「五龍岳」の呼称は山頂直下に現れる四つ菱状の雪形(積雪と岩の地肌との模様)が武田信玄公の御家紋に似ていることから「御菱」と呼ばれ、やがて「ごりょー」の音に「五竜」の字が当てられたと言われる。5万分の1地図に初めてこの名が乗ったのは昭和6年であり、100年足らずの最近のことである。後立山連峰の中では数少ない山腹から山頂までしっかりと険しい岩稜帯が続く。

 鹿島槍ヶ岳は古くは単に「後立山」と呼ばれたり、双耳峰に挟まれた鞍部の形から「乗鞍岳」と呼ばれた。現在の「鹿島槍ヶ岳」の呼称は、地震による大きな山崩れが起きてから、地震(を起こす地中の大鯰を)御する鹿島神(カシマノカミ)武甕槌(タケミカヅチ)神を祀ったことからと言われる。アプローチは大谷原から冷池山荘を経由するか遠見尾根から五竜岳、八峰キレットを経由するルートの2つあるが、どちらもロングコース。

参考 田中欽一 著『北アルプス大紀行』大日本法令印刷㈱

・五竜岳ー鹿島槍ヶ岳(八峰キレット) 7D 1-2泊以上が妥当、険しい岩稜帯、ザレ場を安定して通過する技術とルートファインディング能力が必要

2.コースタイム

 二日目は五竜山荘から五竜岳、八峰キレット、鹿島槍ヶ岳、布引岳を経て冷池山荘を目指します。コースタイム約10時間、北アルプス三大キレットの「八峰キレット」と、それを超えた先にある標高2889mの鹿島槍ヶ岳双耳峰の登り返しが今日の難所です。

 コースタイムが長いことと、午後の天候の崩れ、雷を伴う夕立に備えて昼ころには行動終了を目指し、朝は4時前に出発しました。




 7月とは言え4時前はまだ暗い。日の出前から行動する前提の登山では180lm以上の十分な明るさのヘッドライトが 望ましいです。ルートファインディングを担う先頭はもちろん、最後尾も隊全体を照らせる明るい物を装備するのが良いです。逆に間に入るメンバーは、後ろからのライトで自分の影が出来るので照射距離よりもワイドに照らせるライトが良いです。

 とかなんとか言っても、とりあえず200lm以上の明るいの持っておけば間違いは無いです。



日が昇ってきた



腕組む立ち姿が似合う

五竜岳山頂手前。悲しいことに、この厳しい山行でついに一名の脱落者がでました。

残されたメンバーは悲しみでいっぱいの表情です。


山頂にて。彼を偲び、手を合わせようとする瞬間を捉えました。



忘れないよって


陽光に照らされる鹿島槍ヶ岳。これからあれを超えるのかと思うと滅入ってくるワクワクする。


寝坊し脱落したかと思われた彼が追いついてきました。死んだなんて誰も言ってません。



改めて集合写真。出番を取り戻さんばかりに一番目立ってる。


鹿島槍ヶ岳に向けて降りていきます。





鹿島槍北峰が近づいてきた。


安易に見えるものに頼らない。心の目で感じるんだ。


よくこんな所に建てたなぁで有名なキレット小屋。新しく見えるが、1935年の旧制浪速高校山岳部が鹿島槍北壁の冬季初登攀が行われた際にはすでに存在していた。

そしてキレット小屋からが今日の難所八峰キレット







貴重なグラサンレスショット。いい笑顔。


パンチラセクシーショット


いつの間にかキレット抜けてた。肩透かし感



鹿島槍北峰


北峰からの南峰はしんどかったので省略


ついた。南峰



女性陣は元気です。


男性陣も元気そう(ヽ´ω`)





お宿を目指し鹿島槍をあとにします。


冷池山荘手前の最後にピーク、布引岳。日に日に変色が進み土と同化し始めた鈴木さん。


テント場を取りに先発したKJとだいしが迎えに来てくれました。しかも空荷で来て荷物持ちまでしてくれて素晴らしい体力おばけたちです。我々がキレット小屋で昼飯食べてる頃には着いていたそう。


先発隊が遭遇した雷鳥


今日も晩御飯はユキシェフのおかげで豪華です。この旅で1人メスティン教に入信しました。


日も暮れ始め、明日の目的地爺ヶ岳は斜陽に照らされていい色合い。


剱岳の夕焼けと


天の川

総括

 本日の核心部、八峰キレットの難易度については岩場慣れしているかどうかで大きく感じ方が変わるのかなと思います。普段から鎖を使わずに登れる人にとってはかなりイージーに、世間で言われるほど大した事ないなと感じるでしょう。一方で、他山の岩場鎖場で有名な所と比べると鎖の設置箇所は限られているため、ガッチリ鎖を掴む前提の人からすると「うわまじかなんでここに鎖無いん…」と難易度はぐっと上がるのかなぁと思います。実際Wecでのレビューを見ると大キレットより難しかった、簡単だったと両論あります。

 岩稜帯に挑むのであれば、岩の凹凸から手がかり足がかりを自分で見つけ、鎖に頼らない登降技術を身に着けましょう。鎖依存では本当に険しい岩場に出くわしてそこに鎖が無かった時、詰みます。

 八峰キレットを超えてからは、鹿島槍ヶ岳のそこそこ急登2連発が待っています。五竜ー八峰キレットー鹿島槍は技術・体力ともに要求されるハードコースです。グレード7Dは登り応えありです。

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​2017.08 alps mountain climber@yamap

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