後立山連峰(唐松岳~爺ヶ岳)縦走 ①(八方尾根~五竜山荘)
- Kazuma Yokota
- 2018年7月29日
- 読了時間: 5分
更新日:2019年10月7日
日程 H30/7/14-16
メンバー りょーじ、だいし、KJ、ゆり、あやか、ゆき、さおり、カズ
天候 最初ガス、その後快晴

1.山について
北アルプス北部の、白馬岳から針ノ木岳、蓮華岳へ連なる山脈。もともと火山活動により噴出したマグマが冷えて固まった溶岩の堆積と、それを地殻変動による押し上げる力が加わり数千mに及ぶ隆起によって形成された。各山ごとに形成された時期が異なり、白馬岳、唐松岳(八方尾根)、五竜岳ー鹿島槍ヶ岳ー爺ヶ岳、それぞれの山域によって岩石種が異なる。特に爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳周辺の岩石は約140~200万年前に形成された溶岩で、45億年の地球史においては最近できた山と言える。
参考 原山悟 著 北アルプス成り立ちのワールドへようこそ







登山コースとしては、
・初日 八方尾根~唐松岳~五竜山荘
・二日目 五竜山荘~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~冷池山荘
・三日目 冷池山荘~爺ヶ岳~柏原新道(爺ヶ岳登山道)入り口
の二泊三日とし、後立山連峰の内の唐松岳ー爺ヶ岳の区間を縦走した。常念山脈系では槍穂高連峰の眺望が優れるが、後立山連峰からは常に立山連峰・剱岳を眺めながらの山行となる。
難易度は
・唐松岳 3B 1泊が妥当、登山経験が必要
CT6時間、2000m級の登山経験があれば十分初心者でも登れます。
・唐松岳ー五竜岳 5C 1泊以上が妥当、ミスると転滑落の恐れがあり、地図読みや岩場鎖場ハシゴを通過できる身体能力が必要。
唐松岳頂上山荘からすぐの牛首を始めとする岩場が険しく、急斜面のザレ場もありグレーディング以上の難易度を感じる。今山行では八峰キレットより大変だったかもとの意見も多数
・五竜岳ー鹿島槍ヶ岳(八峰キレット) 7D 1-2泊以上が妥当、険しい岩稜帯、ザレ場を安定して通過する技術とルートファインディング能力が必要。
・鹿島槍-爺 6C 1-2泊以上が妥当、ミスると転滑落の恐れがあり、地図読みや岩場鎖場ハシゴを通過できる身体能力が必要。
消化試合冷池山荘からの爺ヶ岳3連峰はそれほどでもないが、種池山荘からのひたすら樹林帯下りが辛い。扇沢からの爺ヶ岳日帰りも難所は無いが体力的に大変なコースと思われる。
ロングコースに加えて厳しい岩稜帯やアップダウンもあるため、装備重量と自身の体力をよく考える。テント泊の場合早めにテント場を取らなければ埋まってしまうため、重量が増える中更にスピードも上げなければならない。
2.コースタイム、マップ
コース全貌 入山:八方尾根 下山:柏原新道登山口
事前に下山口に車をデポしてから登山口へ移動した。柏原新道登山口の駐車場がいっぱいの場合、手前(大町側)のスノーシェッド抜けてすぐの路肩か扇沢駐車場へ

初日 八方尾根ー唐松岳ー五竜山荘

2日目 五竜山荘-五竜岳-八峰キレット-鹿島槍ヶ岳-冷池山荘

3日目 冷池山荘-爺ヶ岳-種池山荘-柏原新道登山口


3.山行
○初日
黒菱第三リフトからスタート

今回随所で活躍したサオリさんのクリップ広角レンズ

グラートクワッドリフト前、鎌池のニッコウキスゲ

八方池山荘前にてスタメン集合写真。ガスってる


まだ雪渓が残っているが、夏道の木道は出ていた。
このさきの扇雪渓も夏道が出ていたが、去年(H29/7)は夏道が出ておらず雪渓歩きを要した。フラットな足運びとフロントポイントができればアイゼンが不要。
つま先で蹴り出さない足運びとつま先に立ち込む歩き方ができれば、残雪期のザラメ雪くらいアイゼン無しで歩ける。これは山の歩き方の基本なのでぜひ身につけたい。

26.5度 結構暑い。







行動食の補給もこまめに。

山荘にテントをデポして軽荷で山頂アタック

唐松岳頂上山荘はテント場が小屋から結構離れてる。




山荘に戻ったら、岩稜装備を整えて五竜岳へ。だいし、りょーじ、KJの3人はテント場を抑えに先行。
唐松岳からすぐの岩場鎖場






岩場の合間に癒やしのお花


How to survive a Lightning Strike.
当日は雷予報が出ていたので、落雷対策姿勢の訓練。
・直撃雷を防ぐためになるべく低姿勢に
・側撃雷を避けるために人、立ち木、建物など落ちうるものから4m以上間隔をとる
・誘導雷(地表を走る雷)を食らったときに備え、踵を浮かせる
一般登山者(他人)に「あれ何してたの?」ってきかれてしまいました。

これから目指す五竜岳





14時着ではテント場はいっぱいでした。

ユキシェフによる
・アンティパスト テリーヌ
・ビーフシチュー
・チーズダッカルビ
・キャベツと豚バラのミルフィーユ 白ワイン仕立て
というヤマメシにはありえない豪華メニューでした。
その具材を詰めたザックを背負うゆきさんもこの重さありえないってやばい顔してたのは内緒です。



五竜山荘からすぐの白岳から夕日ウォッチ


寝床の様子
窓を開ければ寒いくらいに風が通りました。締めると暑い。

翌日は午後の天気の崩れに崩れに備えて3:30出発目標
4.総括 唐松-五竜山荘
唐松岳までは大したことないです。唐松岳から五竜に向けて分岐を進むと、早々に岩場鎖場になり、今行程で1,2を争う難所でした。この区間に難航するようであれば五竜岳から遠見尾根経由で白馬五竜スキー場に降りるバックアッププランも考えておくべきでしょう。今回は休憩の分だけ時間が加算され、コースタイム+60分ほど要しました。岩場の慣れ不慣れによってCTの増減が著しい区間です。
五竜山荘のテント場は14時ころには一杯でした。小屋泊まりに変更となり、布団1枚に二人のよくある詰め込み具合でした。宿泊者に提供される水は天水に消毒剤が混ぜてあり、煮沸推奨とありました。しかし煮沸すると消毒成分が飛んでしまうので沸かさないほうが長持ちするかもしれません。自炊場が大抵の時間空いていて、深夜早朝の荷物整理にも敵地でした。
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